夜中の大移動
朝起きたら、ベッドに娘が来ていた。 夜中に親のベッドに入り込んだみたいだ。 彼女のベッドに一緒に寝ていたぬいぐるみたちも来ていた。 夜中にお人形さんたちと大移動したみたい。
ゆっくりと世界を広げてゆく
だんだんと娘が理不尽になってきた。
家を出る直前に遊び出したり、ベビーカーに乗るのを全力で拒否したり。
おお、これが噂に聞くイヤイヤ期/ヤリタイヤリタイ期と、イラッとしつつもとても興味深い。
まるで彼女は自分の世界をよいっしょ、よいっしょって広げるかのごとく、イヤイヤをする。自分の世界を広げる儀式としての癇癪に見える。混乱とコンフリクトの余波で自分という畑を開拓していっているように見える。
そしてイヤイヤに関しては娘はそんなに思いっきりが良くない。丁寧に、優しく、これぐらいは癇癪してもいいかなって測りながら始める。少なくとも親の前では。保育園ではどうなんだろう。思いっきりよくやってるんだろうか。
クリスマスツリー
娘が産まれた年のクリスマスに、夫は巨大なもみの木を買ってきた。
その年のクリスマスはニュージーランドから夫の母やおじさんが来ていて、まだ最後4週間だった娘を囲んで温かみのある時間を過ごした。
次の年は買うタイミングを逃してツリーはとても小さかった。 うちには若い女の子2人が下宿していて、クリスマスのシーズンには彼女の恋人も長期間滞在していた。 クリスマスには彼女達の友達がたくさん来てとても賑やかだった。
今年はまた大きなもみの木を買った。
今年のクリスマスは娘を通してできた友人達とクリスマスをした。 2歳児ちゃん達が家中を元気にかけずり回った。
娘が産まれた年から、毎年西暦が入ったツリーのオーナメントを買っている。 彼女が彼女の家のツリーを飾るときに使ってくれたら良いなと思っている。
こらからも毎年もみの木を飾る時期には、大好きな大切な人たちと一緒にいれるといいな。クリスマスの朝に小さな人たちがツリーの周りに集っている姿を見たいな。 そんな願いを込めて、ちょこちょことオーナメントを集めている。
年末年始
今年の年末年始はトロントにいた。
毎週末、保育園や近所の家族ぐるみでの友達と一緒に時間を過ごすことができた。
過ごしている間はおもてなしの準備や子供達の叫び声にクラクラして、とっとと仕事に戻りたかったけど、振り返ってみると、そこには確かな、しっかりとした、充実した時間があった。 喜びが密度高く詰まった季節だった。
そこに一緒にいる人たちはトロントから引っ越したらもう2度と簡単には会えない人達で、そしてお互いの子供達は1日1日すごい変化をしていて、今一緒にいれるのが嬉しかった。
大騒ぎをしているなと思ってたら次の瞬間は抱きしめあって静かにしていたり。
学校や保育園がないから、近所のお姉ちゃんといつもよりゆっくりの朝を楽しんだり。
娘からしても満ち満ちた時間になったようで良かった。
愛が溢れてる
子供達は遊びの合間合間、よくくっつきあってお互いの匂いをかいだり、ただ抱きしめあったりしている。 いつまでこういう素敵さを保ってくれるだろうか。 好きを優しさに変換して、相手の暖かさを楽しむ時間。 青年期になったらそれが欲しくてたまらなくなるわけだから、子供時代にも持ち続けて欲しいなぁ。
子供家族
同じ建物の別のフロアに住んでいるご近所さんとよくまとめて育児をしている。
親同士も気があってるし、何よりもそこの家の7歳ちゃんと4歳君が、うちの娘ちゃんをとても可愛がってくれているので色々やりやすい。
週末の夜、外に出て遊ぶほどのエネルギーはないけど何かしたい時なんかはお互いの家に行って映画を観たりご飯を食べたりお風呂で遊ばせたりしている。
下の子達は娘の足音を聞き分けられるらしく、彼女が彼らの家の前を通るとパーっと駆け出して来てくれる。ほぼ毎朝娘が保育園に行く前に玄関に出てきて、ハグとキスをしてくれる。 娘はよく愛の磔をされている。
放課後もよくどっちかの家で娘ちゃんと遊んでくれてる。みんなで仲良くおやつを食べて少しお絵描きとかをして夕飯の時間に自分の家に帰る感じ。
つい先日産まれたばかりの気がする自分の娘が楽しそうに他の子供達と遊んでいるのを見るのは今でもすごく新鮮だ。
お姉ちゃん、お兄ちゃんに構って欲しいとか、仲間に入れて欲しいって渇望が彼女の行動から伝わってくる。そこには情熱がある。
この3人は隙あればキスをしたり、抱きしめあったりしている。同じ建物に住んでいて、年がそこそこ離れていて、対等に遊ぶっていうよりかは、可愛がる可愛がられるって関係性だからかな。子供達の間で家族みたいになっている。 小さな小さな子供家族。保育園のお友達とは遊び方とか関わり合い方が違う。
私にも子供時代、自分の小さな子供家族があった。数歳差で相手を自分の子供のように感じ、その子が可愛がっている小さな子についてはもう孫みたいな気分になる関係。
今でも彼らとはすごく仲良しだし、とてもエモい。 抱きしめあった分、友達以上に面倒をみてもらったり面倒をみてきた分、とりあえずエモい。それは宝物。
多分私は娘に、友達だけじゃなく、そういう人間関係も体験して欲しいんだと思う。 いろんな人たちといろんな関係を持ってもらって、その先に彼女が一緒に生きていきたいと思う相手を見つけてもらいたい。
夫の発見
もうすぐ娘ちゃん2才。 尊い時間の積み重ねだった。
彼女が家にきてくれてから、その時々で感動して「これは忘れない!」と思っていたことも段々とぼんやりとしてきた。
娘がぐんぐん成長していく分、思い出がすごいスピードでどんどん上書きされて、3ヶ月前のこととかでもはっきりと思い出せなかったりする。
とはいえ、娘のやることなすことは写真に撮りまくってメモしまくっているので、きっかけさえあれば、彼女のことに関しては思い出せる。 その時自分がどういう気持ちになったのかもぼんやりとだけど思い出せる。
それと比べて、日々の喜びを共有し合っているはずの、夫のことはなんだか忘れ気味。 海外在住で核家族なので、夫が育児仕事家事+社交をどれだけ頑張ったか、よく知ってるのも覚えていられるのは私だけなのに。
彼がどれだけ素晴らしい伴侶で父親であったか、忘れないようにしたい。だって娘と同じぐらいに、夫も私の宝物だから!
私が忘れちゃったら、この尊く素晴らしかった、私たちの育児の思い出の半分ぐらいは霧のように消えていってしまうんだ。それはいやだ。
どれだけ私たちの家族に人生を注いでくれているか、そしてどれだけひょうきんで楽しいやつか。彼の人生を私も大切にして、そしてできるだけ多くのことを覚えておいてあげたい。
そんな決心を今朝通勤路で1人した。